●ころばぬ魔法の杖　双葉社

　２００３年１０月読了

　世が世なら子爵の家柄という旧家に嫁いだ撫子。
姑や小姑にいじめられる毎日。
　両親が破産して、自殺してしまったため、利用価値のなくなった撫子は、婚家から追い出されるという策略に陥れられてしまうけれど、それがハッピーな結末に。
　
　名香智子さんの漫画は、いつ見ても絢爛豪華。
　美男美女のオンパレードで、主役の家は必ず大金持ち。
　
　漫画を読んでいる一瞬は、現実を忘れて、うっとりしてしまいます。

　漫画はストーリー展開としては、いつもの名香さんのマンネリパターンといえるものの、それなりに楽しめるのと思います。

《名香智子さんをご存知ない方へ。》

　とにかく、キラキラと輝く綺麗な絵柄が魅力。
　毎回の決まりごとは、かならず主役とその恋人は美男美女。
　男性（もしくは女性）の主役は大金持ち。
　
　時に人が死んだりするけれど、どろどろはしていません。人が死ぬのも非常にあっさり。とかく、名香さんは、あっさりさっぱりしているのが魅力です。主人公たちはくよくよ悩まないし、悩んだとしても、それがどんよりして、ストーリーに影響を与えることは皆無。

　毎回登場するＨシーンも、とても綺麗なの。
現実味がなくて、あくまで空想の世界だと思えるからこそ、楽しめるんですよね。

　必ず、最後はうまく行くことが多いので、そういう決まった筋書きの好きな人なら、安心して読めると思います。

●パートナー　小学館

名香智子さんのセンスの良さに私は当時、びっくりしました。現実の人が着たら、浮いてしまうであろうファッションセンスなのですが、漫画の中では、すごくしっくりして、華やかで、憧れでした。

「パートナー」は社交ダンスの世界ですが、これを読むと競技ダンスというものへの偏見がなくなるかも。
　
　一種のスポーツであり、舞踊のすばらしさが伝わってきます。もちろん、恋愛も入っているし、国際的な内容なので、さすが名香さん！　と言った感じです。
　私のお気に入り、永久保存版漫画のひとつです。